トイレの詰まりを洗浄剤(パイプクリーナーなど)で解消するコツは?

トイレが詰まったら、なんとなく液体の洗浄剤をたらしてみるという人もいるかもしれませんね。
確かにパイプの詰まりを解消したり、トイレ掃除をする洗浄剤を流すと詰まりが解消できる場合があります。

しかし、どんな詰まりの原因でも解消できるわけではありません。
ここでは、パイプやトイレの洗浄剤がどんな詰まりを解消できるのか、どのようにして使えば良いのか紹介していきますね。

洗浄剤で解消できる詰まりの原因は?

トイレの詰まりの原因は、さまざま考えられます。
ポピュラーなのは、流しすぎたトイレットペーパーですが、他にもポケットから落ちたスマホやボールペン、お父さんが何気なく捨てたつまようじなども考えられますね。

トイレの詰まりを解消するコツは、原因に合った対処法を実践することです。
順を追って、洗浄剤がどのような詰まりの原因に効果的なのか説明していきましょう。

洗浄剤の働きは?

市販されている洗浄剤にもいろいろ種類がありますよね。

ここでは、左のような「浴室、洗面所、台所の排水パイプの洗浄用」のクリーナーと、右の「トイレの便器内の掃除用」のクリーナーという2つのタイプのクリーナーについて話をすすめていきます。
(以後、排水パイプの洗浄用のクリーナーを「パイプクリーナー」、トイレの掃除用のクリーナーを「トイレクリーナー」と呼びます。)

当然、パイプクリーナーには「浴室、洗面所、台所の排水パイプの洗浄」、トイレクリーナーには「トイレの便器内の掃除」という働きがあります。
しかし、今回求めているのは「トイレの詰まりの解消」であり、「台所などの排水パイプの洗浄」をしたいわけでも、「便器の中の掃除」をしたいわけでもありませんよね。

洗浄剤で本当に詰まりを解消できるの?

それぞれのクリーナーの説明書きを見てみましょう。

トイレクリーナーの説明書きには、「トイレの詰まり」に関する記載は一切ありません。
それも当然です。
トイレクリーナーはトイレをお掃除するためのものなのですから。

パイプクリーナーはどうでしょうか。
パイプクリーナーは浴室、洗面所、台所の「排水パイプ」の洗浄という用途を謳っているので、トイレクリーナーよりもまだ詰まりの解消に役立ちそうな気がします。

画像の青枠でかこった部分に注目してください。
「つまりの解消」という文字がありますよね。
これならトイレのつまり解消への期待も高まりますが、次に赤枠の部分を見てください。
はっきりと「トイレのつまりには、効果は期待できません。」と書いてありますよね…。

トイレクリーナー、パイプクリーナー、それぞれの説明書きを読むだけでも、それぞれの商品がトイレの詰まりを解消する目的で作られていないことが改めて分かります。

クリーナーの力を実験で確認!

あなたは「パイプクリーナーやトイレクリーナーで詰まりを解消する」と聞いて、どんな働きを想像しましたか?
きっと「クリーナーに含まれている成分で、紙が溶けるのでは?」と考えたことでしょう。

確かにトイレクリーナーもパイプクリーナーもトイレの詰まりを解消するために作られていないことはわかりましたが、もしかするとクリーナーに紙類を溶かす力があるかもしれないので、実験をしてみました。

もしこの実験で紙類を溶かす力があると分かれば、メーカーが推奨する使い方ではありませんが、トイレの詰まりの解消に役立てられそうですよね。

実験方法

いくらクリーナーに詰まりの原因を溶かす働きがあるかもしれないからといっても、スマホやボールペンといった固形物を溶かせないのは目に見えています。
そこで、今回は以下のトイレに詰まりやすい紙類を実験の対象にしました。

・トイレットペーパー
・ティッシュ
・流せるお掃除シート
・おむつ

これらを1:1の割合で水で薄めたパイプクリーナーとトイレクリーナーに漬けて、溶け具合を確認してみます。

以下が実験結果です。

トイレットペーパーの場合

液体に漬けてから1分後に割り箸でかき混ぜたものをダンボールの上に並べた画像です。
もともとトイレに流す目的で作られているトイレットペーパーは、水にほぐれやすくなっています。
そのため水に漬かったトイレットペーパーも十分ほぐれていますが、パイプクリーナー、トイレットクリーナーに漬かっていたトイレットペーパーはよりドロドロにほぐれていました。

ティッシュの場合

液体に漬けてから3分後に割り箸でかき混ぜた画像です。
鼻水をかんだり、汚れを拭き取ったり、様々な用途に使うティッシュは、トイレットペーパーとは違い水にほぐれにくいように作られています。
そのため、水に漬かったティッシュは3分程度では原形を保ったままでした。
しかし、パイプクリーナー、トイレクリーナーのほうはご覧の通り、ドロドロです。

流せるお掃除シート

液体に漬けてから1分後に割り箸でかき混ぜた画像です。100均やドラッグストア、ホームセンターでよく目にする「流せるお掃除シート」といった名前の商品は、実は意外とトイレに詰まりやすいのです。
トイレットペーパーと比べるとかなり厚手にできており、それぞれの販売会社が独自に流せるかどうか確認しているので、中には簡単に詰まってしまう商品もあります。

そんな流せるお掃除シートは、ティッシュと比べるとほぐれやすく作られているのか、水に漬かっていたものも多少ほぐれやすくないっています。
パイプクリーナー、トイレットクリーナーのほうは、相変わらずドロドロですね。

おむつ

液体につけてから、1時間後に割り箸でかき混ぜた画像です。
おむつは吸水ポリマーという、水を吸い込む素材が作られており、もしトイレに流してしまうとおむつが水を吸ってパンパンに膨れ上がり、絶望的な詰まりの状態を作り出してしまいます。
そんな強敵な詰まりの原因を、パイプクリーナー、トイレクリーナーで溶かせれば良いのですが、結果は画像の通り、まったく効果なしでした。

今回の実験では、1枚のおむつを3分割して使用したので、吸水ポリマーが溢れ出していますが、
一番外側の素材が紙のように破れることはありませんでした。
なぜ、おむつがパイプクリーナーやトイレクリーナーによって溶けなかったのか、その理由は後述しますが、おむつと似ている生理用品にも効果がないと考えておいて下しあ。

クリーナーにはトイレットペーパー、ティッシュ、シートを溶かす効果が期待できる!

実験結果からパイプクリーナーやトイレクリーナーには、紙類(おむつや生理用品を除く)を溶かす効果が期待できるといえますよね。
しかし、なぜパイプクリーナーやトイレクリーナーで紙類が溶けたのでしょうか?
その謎を解明するために、パイプクリーナーとトイレクリーナーに含まれている「成分」に注目してみましょう。

どちらのクリーナーにも

・水酸化ナトリウム
・次亜塩素酸塩
・界面活性剤(アルキルアミン)

という3つの成分が含まれていることが分かります。
それぞれの成分が配合されている細かな割合まではわかりませんが、今回利用したパイプクリーナーもトイレクリーナーもほぼ同じ成分の液体なのですね…。

ネットで検索しても、これらの成分がどのような働きをもつのか確認できなかったため、ティッシュを作っている某大手製紙会社に、「水酸化ナトリウム、次亜塩素酸塩、界面活性剤のいずれかの働きによってティッシュなどの紙がとけやすくなることはありますか?」という問い合わせをしてみました。
するとありがたいことにお返事をいただけたので、その内容を要約して紹介いたします。

・3つの成分は、古紙原料を離解(繊維をほぐすこと)するときに使われるもの

・特に次亜塩素酸塩は、湿潤紙力増強剤(紙の強度を高め、ほぐれにくくする薬剤のこと)を使用しているティッシュやペーパータオルの離解に有効

・3つの成分が紙の離解に有効でも、パイプやトイレの洗浄商品がトイレ詰まりに対して効果があるかは、こちらでは分からない

・基本的にティッシュはトイレに流さないように注意してください

以上となります。

今回質問にお答えいただいた会社はティッシュを製造している会社なので、パイプクリーナーやトイレクリーナーのトイレの詰まり解消に対する答えは避けたのだと思います。
しかし、含まれている3つの成分が紙の繊維をほぐすために使われていること、実際に実験で紙が溶けていることから考えると、成分的にもパイプクリーナーやトイレクリーナーがトイレに詰まった紙類を溶かして、詰まりを解消してくれる効果が期待できると考えて良いでしょう。

ひとつ気になるのが、なぜおむつだけ溶けなかったのかという点です。おむつとおむつに似ている生理用品の素材を調べると「表面材…ポリオレフィン、ポリエステル不織布」という表記を見つけました。

なんとなくおむつというと「紙」というイメージがありますが、ポリオレフィン、ポリエステル不織布というのは、紙ではありません。パイプクリーナーやトイレクリーナーに含まれている3つの成分の効果は「紙」をほぐれやすくするだけです。ポリオレフィン、ポリエステル不織布には、効果を発揮しないわけですね。

以上のことから、パイプクリーナーやトイレクリーナーがトイレットペーパー、ティッシュ、流せるお掃除シートといった紙類の詰まりの解消に役立つことがハッキリしました。
しかし、この使い方は製造会社が想定しているものではなので、あくまで自己責任だということを頭に入れておきましょう。

洗浄剤を使って、詰まりを解消する4ステップ

ここからは実際に洗浄剤を使って、詰まりを解消するための手順を紹介しましょう。

用意するもの

洗浄剤で詰まりを解消する場合には、次のものを用意すると良いでしょう。

・洗浄剤…成分に「次亜塩素酸塩」「水酸化ナトリウム」「界面活性剤」が含まれたものであれば、今回の実験と同様の効果が期待できます。

・ペットボトルしゃくし…少しでも多くの水を汲みだすために使います。

画像のようにペットボトルを切って、しゃくしを作りましょう。これなら、使った後は捨てるだけですみます。少しでも奥の水まで汲み出すためには、1Lサイズよりも500mlサイズの小さめのペットボトルのほうが良いです。

もし、トイレの水に触れても問題ないしゃくしがあるなら、そちらを使ってもかまいません。

・バケツ…しゃくしで汲みだした水をためるために使います。

・やかん…便器に水を注ぐために使います。バケツでも構いませんが、やかんのほうが使い勝手が良いです。

・新聞紙…ラバーカップを使うときとは違い、この方法では水がハネたりすることは少ないです。しかし、もしものために備えてトイレの床に新聞紙を敷き詰めておきましょう。

ゴム手袋…手に汚水やクリーナーの原液が着くのを防ぎます。

詰まりを洗浄剤で解消するための4ステップ!

道具を用意できたら、実際に次の手順で詰まりを解消していきます。

1.しゃくしでできる限り水を汲み出す

最初にしゃくしを使って、可能な限り便器の中の水を汲み出します。

2.洗浄剤をたっぷり注ぐ

水が減った便器の中に洗浄剤をたっぷり注ぎます。
やはり量が多ければ多いほど効果を実感しやすくなるとは思いますが、ボトルの半分程度の量を注げば十分でしょう。

3.水を高いところから注ぎ、1時間ほど放置

さらにクリーナーの液体を詰まりに届けるため、水を注ぎます。

このとき、やかんを使ってなるべく高い位置から排水口めがけて水を注ぐように心がけましょう。
可能であれば、なるべく多くの水を入れると良いでしょう。

水を注いだら、1時間ほど時間をおきましょう。
詰まりの原因によっては1時間待たずに繊維がほぐれ詰まりが崩れ、水位が減っていくこともあります。基本は1時間ですが、余裕があるなら何度か確認してみても良いでしょう。

そのを離れるなら、画像のように短く切ったトイレットペーパーを水位にあわせて貼り付けておきましょうこの線が水位の目印となり、1時間後に戻ってきても簡単に水位の変化を確認できます。

4.水位の確認

1時間ほどおいて水位の変化が確認できたら、バケツに注いだ水をゆっくりと流しこみます。
このとき、普段と同じように水がスッと流れるなら詰まりが解消されているので、後は新聞紙などを片付けて作業終了です。

もし、水位がゆっくりと減る、もしくはまったく減らないなら、詰まりは解消されていません。
この場合は、洗浄剤の力だけでは詰まりを解消できない可能性が高いですね。
手元にあるならラバーカップ、真空式パイプクリーナーの使用をおすすめします。

ラバーカップの使い方は「トイレの詰まりをラバーカップ(すっぽん)で解消するコツとは?」を参考にしてください。
真空式パイプクリーナーの使い方は「トイレつまりを真空式パイプクリーナーで解消?正しい使い方とは?」を参考にしてください。

コツは水量と水の注ぎ方

この方法の一番のコツは、いかに詰まりの原因に濃度の濃いパイプクリーナーやトイレクリーナーの液体を届けられるかです。

手順1で、なるべく排水口部分の水を汲みだしましたよね。
画像のように排水口部分の水が少なければ少ないほど、原液と詰まりの原因との距離が近くなるため成分が届きやすくなります。

さらにその上で手順2のように、やかんを使って高いところから水を注ぎます。
便器のふちにそってゆっくりと水を入れても、排水口部分で大きな水流は起きません。
しかし、やかんやバケツを使って高いところから水を注ぐと、排水口内で強い水流が起こり、水流にのって奥の部分まで液体が届きやすくなります。

詰まりの原因が紙類なのに、解消できない理由は?

絶対に詰まりの原因が紙類だという確信があり手順通りに進めたのに、詰まりが解消できない場合はなにが悪いのでしょうか?
考えられる解消できない理由は「詰まりが奥にありすぎる」ことです。

トイレが詰まるときは、画像の青い点部分に原因が詰まることが多いです。
しかし、まれに赤い点部分のように、排水管の奥の方で詰まることもあります。
ここまで先の部分で詰まってしまうとクリーナーの成分はなかなか届きませんし、届く頃には大量の水分で成分濃度が薄くなってしまいます。

こういった場合は、素人ではなかなか対処できないので業者に頼むようにしましょう。

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最後に

パイプクリーナーやトイレクリーナーは本来の用途とは異なりますが、含まれている「水酸化ナトリウム」「次亜塩素酸塩」「界面活性剤」といった成分によって、紙類の詰まりであれば解消できる可能性が高いです。

トイレ詰まりのポピュラーな解消法であるラバーカップを常備している家よりも、パイプクリーナーやトイレクリーナーを常備している家のほうが多いかもしれませんね。
もし、詰まりの原因が紙類だという確信があるなら、手順は簡単なので一度試してみてはいかがでしょうか?

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